第59回公開セミナーLet’s不思議!「発酵食品と健康」を開催しました

九州キャンパスが熊本日日新聞社と共催している第59回公開セミナーLet’s不思議!「発酵食品と健康」を3月16日に、熊本キャンパスで開催しました。今回は農学部バイオサイエンス学科の木下英樹講師が「健康に役立つ機能性ヨーグルト」と題して、乳酸菌とヨーグルトが持つ多様な機能性について紹介。さらに、九州キャンパスと交流及び連携に関する包括協定を結んでいる尚絅大学?尚絅大学短期大学部から生活科学部栄養科学科、尚絅食育研究センター長の守田真里子教授が、「一日を元気にする味噌汁パワー」をテーマに漬物やみそ、納豆など発酵食品や熊本の郷土野菜を例に挙げながら講演し、地域住民の皆さまなど約200名が参加しました。

当日はまず、本学総合農学研究所の村田達郎所長が登壇し、「社会では平均寿命や健康寿命が取りざたされ、テレビなどでは”こんな食べ物が体にいい”と取り上げられます。現代は自分の意思で体に良いものを食べて健康寿命を延ばす時代。今回のテーマである発酵食品は体にいい食品です。両先生の講演をご理解いただき今後の糧にしてください」と話しました。また、来賓として尚絅大学?尚絅大学短期大学部の森正人学長も、「本学では栄養士、管理栄養士を育成しているほか、社会に発信する組織として尚絅食育研究センターも設置しています。これらの機関で取り組む栄養学や食品学の分野は東海大が取り組む農学と密接な関係があります。本日の講演をぜひ参考にしてください」と語りました。

続いて、第1部として木下講師が講演。乳酸菌の定義やその発酵形式をはじめ、善玉菌や悪玉菌、プロバイオティクスといった乳酸菌を巡る用語を解説。そのうえで、腸内環境をセルフチェックする項目や、市販されているヨーグルトを例に挙げながら抗ウイルス作用や花粉症の軽減作用といった機能性を持つ商品を紹介。「ヨーグルトにはさまざまな乳酸菌が使われ、整腸作用、免疫賦活化、ピロリ菌抑制などの効果が期待できます。ただ、使用されている菌によって期待できる効果も違うので、自分がどのような効果を期待するのか考えて選ぶ必要があります。また、食べ始めてから効果を実感するまで、少なくとも2?3週間は試してください。改善されれば続け、効果が出ないようなら違うものを試し、自分の腸内フローラに合ったものを見つけることが大切です」と強調しました。

後半の第2部では守田教授が、まず「寒漬」や「高菜漬」「赤土漬」といった熊本の特徴ある漬物について紹介。続けて日本人の伝統的な食文化とその健康機能を科学的なデータに基づいて解説しました。さらに子どもの朝食摂取状況と学力調査の結果などを比較するとともに、「味噌汁を摂取すると胃がんや乳がんの予防、コレステロール値の上昇抑制、腸内環境の改善などが期待できます。また、1975年から80年ごろの食事は栄養バランスがよく、健康的だった」と指摘しました。
身近な食と健康のかかわりや大切さが語られた講演に参加者は熱心に耳を傾け、終了後には「花粉症がひどいが、ヨーグルトは普段どの程度食べるべきか」「インスタントの味噌汁でも健康に効果があるのか」など、多数の質問が寄せられました。

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