生物学部

海洋生物科学科

先輩?卒業生からのメッセージ

生物学部海洋生物科学科を目指す皆さまに向けて、先輩?卒業生からのメッセージです。彼ら、彼女らの具体的な想いや経験談を聞いて、これからの大学生活を思い描くヒントにしてみてください。

福本 環
2020年度卒業
福本 環さん

謎の多いナマコの生態を解明する研究者を目指して

小学生の頃、あるイベントでナマコに興味を持ち、ナマコの研究をしたいとずっと思っていました。高校生の時、海洋生物科学科の櫻井泉先生が、ナマコの研究者であることを知り進学を決めました。ナマコは、日本でも食用として用いられていますが、中国では高級食材として人気があり、ナマコの養殖は重要な産業のひとつです。しかし、その生態には謎が多く、特に個体の成長差がなぜ起こるのかはよく分かっていません。水温や餌の量などが関係していると考えられていますが、詳しいことは解明されていないのです。卒業研究では、櫻井先生の指導のもと、ナマコの成長差の原因について水槽内での行動をもとにデータを集めて分析しています。3年次の後半から予備実験を始めて、4年次に論文としてまとめる予定です。ナマコの研究といっても狭い範囲に絞るのではなく、いろいろなことを学びたかったので、海の環境やプランクトン、魚類の構造などのほか、生物学科の授業も履修しました。一つひとつの授業はバラバラのように見えても、必ず何かしら共通点があり、陸と海との関係も含めて総合的に理解できたと思います。

海底の堆積物から過去の海洋環境を解明する研究
-大学で学ぶうちに興味の範囲が広がりました-

イルカやクジラが好きで、水族館の飼育員に憧れていたのですが、海洋生物科学科で学ぶうちに、いろいろなことに興味を持つようになりました。海の生物といっても魚類や哺乳類、プランクトンなどさまざまな種類があり、知るほどにどんどん面白くなっていきました。先生方の専門分野も多彩で、それぞれに興味深い授業ばかりです。

現在は南秀樹先生の研究室で、水深5,000mを超える深海底堆積物中の生物活性微量金属元素の分析を行っています。この研究は海洋表層で生物が取り込んだ微量金属元素が、海水中を沈降して最終的に堆積物へ埋積される移動?循環過程を解明するもので、過去の地球環境や海洋環境を把握するための指標探索となります。数万年にわたる過去の環境を微量金属元素の挙動から読み取り、地球環境変化の未来を予測する研究に繋がっています。

将来は海洋環境に関する仕事に就きたいと思っています。水族館の飼育員とは違いますが、海の未来を考える仕事というのも大きなやりがいがあるのではないかと考えています。

長峯 侑菜
2020年度卒業
長峯 侑菜さん