学生が日本機械学会関東学生会のベスト?プレゼンテーション?アワードを受賞しました

工学部機械工学科4年次生の学生たちが、3月10日にオンラインで開催された日本機械学会関東支部主催の「関東学生会第60回学生員卒業研究発表講演会」で、ベスト?プレゼンテーション?アワードを受賞しました。同講演会の発表者の中から特に優秀な口頭発表を行った学生に対して贈られるもので、本学科からは上田大貴さん(指導教員=木村啓志准教授)と木村渉さん(同=落合成行教授)、関友彰さん(同=甲斐義弘教授)、松本香南さん(同=砂見雄太准教授)が受賞しました。なお、工学部動力機械工学科4年次生の宮崎陸さんも同賞を受賞しています。今回の講演会では、12大学から23名が受賞。本学部の5名は参加大学中最多の受賞者数となりました。

上田さんは、小さなチップの上にヒトや動物の生体環境を再現する生体模倣システム(MPS)の研究の中でも、肝細胞を3次元培養した「スフェロイド」をMPSに組み込み、従来よりも高い次元で薬剤の性能を評価できるチップの開発に取り組んでいます。「昨年は澳门特区赌场_澳门英皇娱乐_彩客网官网推荐感染症の影響で、約4カ月間キャンパスに入構できない状態でしたが、その中でこのような結果を得られてうれしく感じています。今後も、自身の研究に努めていきます」と語っています。

また木村さんは、ターボ機械の心臓部にある非接触メカニカルシールという部品の周りで起きる現象の可視化を研究。熱変形という現象に着目し、フォトクロミズムという手法を用いて駆動中の機械の一定時間経過後のシール面の熱変形量を計測することでシールが熱によって変形していく過程をとらえるとともに、周辺で発生するオイルなどの流れを可視化して、シール面周辺で液体が流れる様子を観察できるようにしました。「受賞を聞いて素直にうれしいです。卒業後もひたむきに頑張る姿勢を忘れず、日々精進していきたい」と語りました。

関さんは、目を動かすだけで文字入力ができるコミュニケーションシステムを研究。筋萎縮性側索硬化症などで四肢が不自由となり、発声が困難な人の生活の質向上を目指しています。今回の学会では、入力が容易で目の疲労も少ないシステムの開発を目指し、眼球運動の特性を考慮し円上に文字キーを配置した入力画面を提案。その設計方法とシステムの有効性について発表しました。「新型コロナの影響で外部に向けた発表の機会が減る中、その貴重な発表の場で受賞できたこと大変うれしく思います。大学院に進学するので、今回の受賞を起点に今後の学会発表にも励みたい」と抱負を述べました。

さらに松本さんは、接着剤がなくてもさまざまな場所に密着し、医療や顕微鏡を使った光学分析など分野への応用が期待されている高分子超薄膜(ナノシート)の大量生産に向けた技術を研究。ナノシートに微細な穴を多数開けた多孔質ナノシートを、家庭用ラップや半導体の生産で用いられているロール?ツー?ロール生産方式を使って生産することを目指して、材料や加工条件などを選定し、実際に作製?観察した結果を発表しました。「私自身は優秀な学生ではないと感じていたので、受賞したと聞いた時には驚きました。研究が思うように進まない日々もあり、焦るときもありましたが、ようやく研究の面白みを感じ始めたところでもあります。今後もこれまで以上に好奇心旺盛にして取り組んでいきます」と意気込みを語りました。

【受賞者?受賞テーマ】
上田大貴さん
「高次薬剤アッセイ試験に向けて肝細胞スフェロイドを用いた多臓器生体模倣システムの構築」
木村渉さん
「フォトクロミズムを用いた非接触メカニカルシールにおける熱変形時の潤滑膜内流れの可視化」
関友彰さん
「視線検出デバイスを用いたコミュニケーションシステムの開発」
松本香南さん
「ロールナノインプリント法を用いたナノシートの微細孔加工(圧力および搬送速度の影響)」