スポーツ?レジャーマネジメント学科の教員が付属相模高校?同中等部でオンライン講座を行いました

体育学部スポーツ?レジャーマネジメント学科の松浪稔教授と大津克哉准教授が10月11日と20日に、付属相模高校?同中等部の「オリンピック教育講座」で講師を務めました。今年7月下旬から9月にかけて開催された東京五輪?パラリンピックを総括しつつ、オリンピズムの精神と大会が残したレガシーや浮き彫りとなった課題について紐解くことを目的としています。

11日は松浪教授が中等部の生徒を対象に、「東京2020オリンピック?パラリンピックがあきらかにしたこと」と題し講演しました。1964年に開かれた東京五輪の開会式を記念して「体育の日」に制定(99年まで)された日であることから、制定されるまでの経緯や五輪の意義と目的について説明しました。続いて、今回の東京五輪がコロナ禍における開催であったことや、国民の反対意見がある中で開かれたことについて触れ、なぜ大会が開催されたのかを政治?経済におけるメリットを中心に解説。五輪が政治的に利用されている現実について指摘するとともに、「本来の目的である“若者の教育”“世界平和の実現”に戻るべき」と語りました。

20日には大津准教授が高校の生徒を対象に、「オリンピズムを学ぶとは?」をテーマに講演しました。初めに五輪マークの形状と込められた意味について解説するとともに、古代オリンピックから現代のオリンピックまでの成立史を説明。近代オリンピックの父と称されるピエール?ド?クーベルタンが近代オリンピックを始めた際の意図に触れ、「オリンピックの思想には、“いかに戦争を起こさせないか”という平和を願う思想があります」と話しました。次に、五輪の教育理念について、「『重要なことは勝つことではなく参加することである』です。それは、『人生で大切なことは、成功することでもなく、努力することである』という言葉です。アスリートのみならず、全ての人々に当てはまる言葉ではないでしょうか」と話し、最善を尽くして努力することの大切さを生徒たちに伝えました。また、社会とオリンピズムのかかわりについて、オリンピック憲章のオリンピズムの根本原則にある反差別の理念をSDGsの観点から解説し、五輪で実施された環境配慮への取り組みや今後の課題について説明しました。最後に、参加した生徒たちに向けて、「五輪を機に社会の現状を理解し、持続可能性のために行動することが重要です。スポーツと環境に興味があれば、ぜひスポーツ?レジャーマネジメント学科で一緒に研究しましょう」と語りかけました。