人文学部と海洋学部の学生有志が清水港近隣のインバウンド観光資源開発に取り組んでいます

人文学部と海洋学部の学生が今春学期、静岡市?清水港近隣のインバウンド観光資源開発に取り組んでいます。人文学部の学生を対象にした授業「インバウンド?コミュニケーション」と、両学部の学生向けに開講している「基礎英会話A」を履修する学生が参加し、海洋学部の加藤和美准教授による指導のもと、清水港に入港する外国クルーズ船の乗客や乗組員にインタビューし、清水地区をより魅力的な地域にするアイデアを検討しています。

清水港は2017年に国土交通省から国際旅客船拠点形成港湾に指定され、外国クルーズ船の入港誘致を強化。当時年間30隻前後だった入港隻数が、23年度には69隻に増加しています。24年度も87隻の入港が見込まれるなか、4月15日に「セレナーデ?オブ?ザ?シーズ」、22日に「シルバー?シャドー」、5月13日には「クイーン?エリザベス」の乗客を対象に調査を行い、学生たちは「清水観光に期待することは?」「清水のよかった点はどこ?」などを英語で質問。学生たちはその回答をもとに、清水地域のインバウンド観光資源を分析し、成果をまとめて静岡市の海洋文化?研究拠点化推進協議会や清水港の観光ボランティアらに報告する予定です。

人文学部の三村彩寧さん(人文学科2年次生)と松浦未奈さん(同)は、「静岡キャンパスの周りで外国人観光客を多く見かけるようになり、アルバイト先でコミュニケーションを図る機会も増えてきました。この授業を履修して、英語で話す勇気が出てきました」と口をそろえ、海洋学部の五十嵐直人さん(水産学科2年次生)は、「クイーン?エリザベスの乗客にインタビューした当日は雨が降っており、富士山が見えませんでした。多くの観光客が楽しみにしている分、悪天候のときに代替えとなるような観光事業が必要」と分析。大塚万葉さん(海洋理工学科海洋理工学専攻1年次生)は、「セレナーデ?オブ?ザ?シーズの船長とも交流し、航海のスケジュールや船員に必要な心構えなどを聞けて、海洋理工学科航海学専攻で学ぶ私にとって貴重な経験になりました」と笑顔を見せていました。加藤准教授は、「清水港に多くの外国クルーズ船が入港するようになり、学生たちにとってよりよい実践的な教育の場になっています。これまでも乗客を観光地に案内するボランティア活動に取り組んできましたが、今回のインタビュー結果を踏まえて成果を生み出したい」と話しています。