サモア国立大学の学生を対象とした短期研修プログラムをオンラインで実施しました

国際教育センターでは3月1日から3日まで、サモア国立大学の学生を対象とした短期研修プログラムをオンラインで開催しました。本プログラムは、日本で展開されている防災?減災に関する研究に触れるとともに、日本文化を体験する機会として、国立研究開発法人科学技術振興機構の「さくらサイエンスプラン」の採択を受けて実施したものです。

1日は本センターの山本佳男所長(工学部精密工学科教授)が、「東日本大震災とロボット技術の活用」をテーマに講演しました。2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所での事故を振り返り、災害発生時にロボットが果たす役割を説明。ドローンによる被災状況のモニタリング、遠隔操作によるショベルカーでのがれき撤去や、人間が立ち入れない危険な場所を探索するロボットなどの事例を解説しました。

2日は2部構成で実施し、初めに情報理工学部情報科学科の内田理教授と総合理工学研究科総合理工学専攻博士課程3年次生のケマチャト ケマヴサノさんが、「ソーシャルメディアを利用したリアルタイム災害情報共有について」をテーマに講演しました。内田教授は、内田研究室が開発したTwitterを利用した災害情報共有アプリケーション「DITS(Disaster Information Tweeting System)」と、その投稿を地図上に表示するアプリ「DIMS(Disaster Information Mapping System)」を紹介し、災害時の活用方法などを解説。ケマヴサノさんは、災害時にTwitterに投稿された文章の解析方法の説明や、自身が開発中の災害発生時に危険を知らせるアプリの紹介などを行いました。後半には、工学部土木工学科の梶田佳孝教授と、大学院工学研究科建築土木工学専攻1年次生の山田博也さんが「自然災害のメカニズムと防災への取り組みについて」をテーマに講演しました。09年に発生したサモア沖地震のメカニズムや被害状況、東日本大震災との比較などを解説。山田さんは被災時の対応をクイズ形式で紹介し、サモア国立大学参加者と交流しました。最後に梶田佳孝教授が参加者からの質疑に対応、活発な討議が行われました。

3日には、大学院文学研究科日本文学専攻1年次生の朏島彩さんが、日本の文化を伝える講義を担当。最初に日本の四季について説明した後、童謡『春が来た』を紹介し、平仮名とローマ字で歌詞を伝えオンラインでの合唱に挑戦しました。朏島さんは、「将来は留学生向けの日本語教師を目指しているのでとても貴重な経験になりました。リモートでの授業は難しかったけれど、コロナ禍での日本語教育がどのように変化していくかを考え、対応できるようにスキルを身につけないといけないと感じました」と振り返りました。