デイリーレポート

10月16日-静的車検に向けた最終整備

4年ぶりに開催される世界最大級のソーラーカーレース「2023ブリヂストン?ワールド?ソーラー?チャレンジ」(BWSC)での世界一奪還を目指すソーラーカーチームは、9月30日に先発隊が日本を出発。10月6日にメルボルンで空輸したマシン「2023年型Tokai Challenger」を受け取ると、ゴールのアデレードからスタート地点のダーウィンまで逆走してコースの状態を確認しました。プロジェクトリーダーの宇都一朗さん(大学院工学研究科2年次生)は、「4年ぶりにコースを見てみると、距離の目印にしていた建物の色が変わっていたり、キャンプ地候補としていた場所が使えなくなっていたりと変化があり、細部までチェックしてきました。19年大会で多くのチームの順位を左右した横風は今年も健在だったので、しっかりとチーム内で情報を共有してレースに生かします」と語ります。

後発隊は8日に日本を経ち、10日にメンバーがダーウィンに集結。予選の会場でもあるヒドゥン?バレー?サーキットのピットでマシンの整備やテスト走行を繰り返し、最終調整を進めています。佐川耕平総監督(工学部機械システム工学科講師)は、「日本国内でのテスト走行はマシンの性能確認に重点を置いていたこともあり、ダーウィンに入って初めて100%の性能で走行しています。今大会が初めての国際大会出場という学生も多く、国内の準備では役割を果たせていなかったメンバーもいましたが、ダーウィンに到着してからは互いに声を掛け合い、一人ひとりが懸命に動いています」と話しています。 明日は「前半の山場」でもある公式車検を控えており、車検ではマシンの前を走る先導車やマシンの直後を走りチーム運営の要となる司令車も対象となるため、こちらも警光灯の取り付けなどを進めました。機械班リーダーの小田侑斗さん(工学部航空宇宙科専攻4年次生)は、「車検では多くの検査項目があるので不安はありますが、できる限りの準備を進めてきました。見直さなければいけないパーツが出たときには、焦らずメンバー一丸となって対応します。1日でも早く車検を通過して、余裕を持って予選のスタートラインに立ちたい」と意気込みを語っています。

10月17日-静的車検初日

10月22日(日)に開幕する「2023ブリヂストン?ワールド?ソーラー?チャレンジ」に向けて、ソーラーカーチームは17日に公式車検に臨みました。車検ではマシンの安全性や大会規定への合致などの項目がチェックされ、レース出場の最終的な判断が下される重要な過程の一つです。今大会では、16日から19日まで実施されており、チームは2日目の本日に検査を受けました。

メンバーたちは、午前6時にヒドゥン?バレー?サーキットのピットで車検の流れや手順、個々の役割を確認。8時に車検会場であるダーウィン?コンペティションセンターホールにマシンを搬入すると、車体の構造や強度、ウインカーといった安全設備、バッテリー回路、大会ステッカーの掲示位置と順にチェックを受けました。車検員からは、専門用語を交えた英語で多くの質問が寄せられ、メンバーが自身の担当部分について資料を用いて説明しました。電気系項目などには問題はありませんでしたが、モーターコントローラーの一時的な不具合や、ホーンの変更が必要になるなど修繕が必要な箇所が見つかったため、明日午後に改めて一部の再車検が決まりました。

サーキットのピットに戻った学生たちはさっそく整備を再開。福田紘大監督(工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻教授)は、「学生たちは自身の思いが詰まった車体について、懸命に説明をしていました。1回目の車検で通過するのがベストではありましたが、今回指摘を受けた箇所はすぐに直せるものばかり。明日に向けて丁寧に作業を進めていきます」と語り、機械班の亀山裕一郎さん(工学部動力機械工学科4年次生)は、「始まる前から緊張してしまいましたが、徐々に落ち着いて説明できるようになりました。会場には世界トップクラスのマシンが集まっていてとても興奮しました。世界一を決めるレースのスタートが近づいていることを実感し、さらにやる気が出ています」と笑顔で話しました。電気班の佐藤史也さん(大学院工学研究科電気電子専攻1年次生)は、「ホーンが指摘されたのは、電気消費量を抑えようとしていたことが原因であり、すぐに変更ができます。また、苦労して組み上げたバッテリーに問題がなく達成感を得られました。とはいえ、レースのスタートまでにまだまだやるべきことがたくさんあるので、メンバーと協力して一つひとつの課題をクリアしていきたい」と抱負を語っています。

10月18日-静的車検2日目-

ソーラーカーチームは18日、「2023ブリヂストン?ワールド?ソーラー?チャレンジ」(BWSC)の再車検に向けて早朝からマシンの整備に取り組みました。前日に指摘を受けた一時的なモーターコントローラーの不具合やホーンの調整などは昨晩のうちに対応を終えており、準備の拠点であるヒドゥン?バレー?サーキットではソーラーカーの発電量やバッテリー残量を指令車へと伝える「テレメトリー」の動作確認といったレース本番に向けた準備も進めました。作業中にはチームの特別アドバイザーで、ドライバーを務めるシッド?ビッカナーバーさん(NASAジェット推進研究所)がアメリカからチームに合流。佐川耕平総監督(工学部機械システム工学科講師)や福田紘大監督(工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻教授)らとの再会を喜ぶとともに、23年型Tokai Challengerのステアリングを握り、乗り降りの方法などを確認するなどマシンの性能を把握しました。シッドさんは、「久しぶりに東海大チームと会えてとてもうれしい。レースに向けてメンバーたちとコミュニケーションを取り、準備を進めたい」と笑顔を見せていました。

午後には車検会場のダーウィン?コンペティションセンターホールにマシンを搬入。車検員に英語で改修した内容を説明しました。新たに、「ドライバーが緊急脱出する際に、キャノピーを開けるボタンの位置が分かりづらい」との指摘を受けましたが、その場で目印となるシールを作成してクリアするなど迅速に対応。最終試験の重量検査もクリアし、車検員たちから「おめでとう」と声を懸けられた学生たちは、集合写真の撮影に合わせて「東海!東海!東海!」のコールで喜びを爆発させ、他チーム関係者からも大きな拍手が送られました。長年に渡ってBWSCの運営に携わり、今大会の車検委員長を務めるジョン?ストーレイ氏は、「澳门特区赌场_澳门英皇娱乐_彩客网官网推荐チームは毎回、先進的で驚きの詰まったマシンを制作してオーストラリアに来てくれます。優秀な指導者と熱意を持った学生たちが在籍しているので、今年も素晴らしい走りを見せてくれると期待しています」と話していました。 プロジェクトリーダーの宇都一朗さん(大学院工学研究科電気電子工学専攻2年次生)は、「1日目の車検ですべての項目をクリアできればと考えていましたが、より良いマシンにしようとさまざまなチャレンジをしていたので、複数回の車検も覚悟していました。前日に比べて、英語でのやりとりやメンバーの動きもスムーズになり、レースに向けて着実に成長できていると感じています」と語り、広報班として2日間にわたって撮影にあたった早川千咲子さん(建築都市学部建築学科2年次生)は、「学生の多くが初めてのBWSC参戦であり、最初は慌ててしまう場面もありました。無事にクリアできてうれしいです。レースに向けてさらにチームのサポートを頑張りたい」と笑顔を見せていました。

10月19日-公道試走-

前日に「2023ブリヂストン?ワールド?ソーラー?チャレンジ」の静的車検(車体が止まった状態での車検)を通過した19日のソーラーカーチームは、早朝6時過ぎにヒドゥン?バレー?サーキット入り。マシンの調整を行った後、オーストラリアに到着後初の公道走行テストに臨みました。メンバーは、11時に大会事務局が設定した走行テストが可能な公道がある「ガンポイント」に到着。走行準備を終えると、エースドライバーの佐川耕平総監督(工学部機械システム工学科講師)がステアリングを握り、慎重にマシンの挙動や性能を確認しました。その後も気温が40度に迫る猛暑の中、シッド?ビッカナーバーさん(NASAジェット推進研究所)、岡本陽佑さん(大学院工学研究科応用理化学専攻1年次生)、伊坪岳陽さん(大学院工学研究科電気電子工学専攻2年次生)とドライバーを交代しながら、およそ100kmを走行しました。

岡本さんは、「バッテリーやモーターコントローラーなどをレース用に整備したマシンでは初の長距離走行となりましたが、安定したドライビングができました。キャノピーの締まり具合が少しだけ悪いので、ピットに戻ってしっかりと調整したい」と話し、木村英樹監督(工学部機械システム工学科教授)は、「走行中の電力消費量が想定よりも大きかったのが気になりますが、路面の凹凸や風の影響を受けた可能性もあるので、原因をしっかりと見極めていく必要があります」と分析。明日はサーキットでのテスト走行や動的車検(旋回性能などの走行性能を確認する車検)を予定しており、「明後日の予選、22日のスタートまで時間は限られていますが、学生とともにしっかりと準備を進めていきたい」と語りました。

夜には、大会冠スポンサーのブリヂストンが開いたレセプションに参加。バーベキューを楽しみながら世界各国のチーム関係者と交流し、互いの健闘を誓い合いました。英気を養ったメンバーは、ピットに戻った後、明日以降のスケジュールを確認してマシンの整備を再開。機械班の小平苑子さん(工学部精密機械工学科3年次生)は、「4年前の前回大会では、10分18秒差で準優勝となりました。当時レースに参加していた先輩からは、約3000kmを走破した上でのこのタイム差は本当にわずかだったと聞いています。少しでも空力性能を上げ、電力消費効率を向上させられれば、世界一になっていたのかもしれないと知り、今大会はレースが始まる直前まで細部こだわったマシンを作ると心に決めました。細かな努力の積み重ねが世界一につながるので、後悔が残らないように整備を続けていきます」と充実した表情で話していました。

10月20日-動的車検-

10月22日に開幕する「2023ブリヂストン?ワールド?ソーラー?チャレンジ」に出場するソーラーカーチームは、20日も早朝6時過ぎにヒドゥン?バレー?サーキットに入り、マシン整備に取り組みました。9時30分からはサーキットで13.5kmを周回して車体の状態を確認。11時から動的車検の一つである「8の字走行」の試験を受け、佐川耕平総監督(工学部機械システム工学科講師)がステアリングを握って1回目の走行で見事合格しました。メンバーから拍手で出迎えられた佐川総監督は、「マシンの完成直後からブリヂストンの協力を受け、栃木県那須塩原市にある同社のプルービンググラウンドで8の字走行を試していたことが効果的でした」と笑顔で振り返りました。

昼食後には、昨日に続いて公道走行テストコース「ガンポイント」へ移動。まず伊坪岳陽さん(大学院工学研究科電気電子工学専攻2年次生)が約120kmを走ると、シッド?ビッカナーバーさん(NASAジェット推進研究所)、岡本陽佑さん(大学院工学研究科応用理化学専攻1年次生)へとドライバーを交代しながら、合計約240kmを走行しました。前日に懸念していた電力消費量の大きさについては、メンバーが昨晩のうちにキャノピーやアッパーに細かな修繕を加えることで大幅に改善。伊坪さんは、「昨日と比べものにならないほど効率的な走りができました。整備自体は一見些細なものですが、さっそく大きな成果を出せました。担当したメンバーの努力の賜物です。スタートまでの残された期間も細部にこだわってマシンと向き合います」と話しています。

18時過ぎからは、ダーウィン市内でノーザンテリトリー準州のホーン?ポール?カービィ知事主催のレセプションに参加。木村英樹監督(工学部機械システム工学科教授)や福田紘大監督(工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻教授)、プロジェクトリーダーの宇都一朗さん(大学院工学研究科電気電子工学専攻2年次生)、広報担当の早川千咲子さん(建築都市学部建築学科2年次生)が、知事や日豪のブリヂストン役員、大会関係者らから参戦への感謝と激励のメッセージを受けました。 明日はサーキットでBWSC公式予選が予定されています。木村監督は「あくまで本番は22日からのレースなので、予選で無理をする必要はないと考えています。マシンの状態を維持したままスタートラインに立てるよう、5、6番手あたりで予選を終えられれば」と語っています。

10月21日-公式予選で総合7位-

「2023ブリヂストン?ワールド?ソーラー?チャレンジ」の開幕をいよいよ翌日に控えた10月21日、ソーラーカーチームはヒドゥン?バレー?サーキットで行われた公式予選に臨み、2分10秒88のタイムで総合7位に入りました。予選は1周2.87kmのコース1周のラップタイムを競い、予選順位がレースの出走順として、一分毎にスタートするため序盤の展開に影響してきます。チームは早朝から「Tokai Challenger」を整備し、佐川耕平総監督(工学部機械システム工学科講師)がステアリングを握りコースへと進みました。「走行中に前輪右タイヤの方から異音がしたので、コーナリングの速度を落とし、丁寧に曲がるように心がけました。走行後にマシンを確認しましたが、大きな損傷はなくすぐに修理できるレベルでまずは一安心です。」と佐川総監督。

木村英樹監督(工学部機械システム工学科教授)は、「各チームのマシンも性能が上がっています。サーキットを走るこの予選では、想定通りの順位。明日から始まる本戦で少しでも前の順位に進みたい」と語っています。なお、予選後には動的車検としてスラローム走行とブレーキの制動距離チェックも実施。どちらも問題なく通過し、これですべての車検項目に合格したためTokai Challengerにレースが行われる公道を走るためのナンバープレートが発行されました。

大会公式写真の撮影を終えた午後には、全参加チームのメンバーが集まる「イベントブリーフィング」がダーウィン?コンベンションセンターで開かれ、本番スタート時における待機位置の説明やレース期間中の安全確保に関する諸注意が伝えられました。その後はサーキットのピットに戻り、チーム全体でミーティングを実施。整備のポイントや今後の動き方を確認し、それぞれが自らの役割を果たしながら大一番に向けて準備を進めています。2019年大会にも参加した藤原圭佑さん(大学院工学研究科電気電子工学専攻1年次生)は、「当時は先輩たちに引っ張ってもらっていたので、自分はあまりマシンの整備に関わることなくゴールまで至りましたが、アデレードに到着したときの感動は忘れられません。今年度は設計から携わっているので、前回以上の感動と興奮が待っていると思うとワクワクします。一方で、今日になって準備が不足している点も見つかり、まだまだ力不足の面も感じています。約3000kmの道中では何が起こるのか分かりませんが、チームメートと協力して乗り越えたい」と前を向いています。

レースは明日22日の午前8時(日本時間午前7時半)にスタートします。 初日、セカンドドライバーを務める予定の伊坪岳陽さん(大学院工学研究科電気電子工学専攻2年次生)は、「テスト走行でも電力消費を抑えながら安定した走りができていました。あとは、先生方や仲間を信じて走るだけ。自分の役割をしっかりと果たしたい」と意気込んでいます。

10月22日-大会1日目-

オーストラリア大陸3000kmを縦断する世界最高峰のソーラーカーレース「2023ブリヂストン?ワールド?ソーラー?チャレンジ」が10月22日に開幕。澳门特区赌场_澳门英皇娱乐_彩客网官网推荐ソーラーカーチームは前日の予選を経て7番手からスタートする予定でしたが、直前に電気系トラブルで走り出すことができず、結果的に11番目でスタートを切りました。走行開始直後にも再びマシンがストップしてしまいましたが、2009年大会以来7大会連続の参戦となる佐川耕平総監督(工学部機械システム工学科講師)が、指令車の木村英樹監督(工学部機械システム工学科教授)や学生らと迅速に対応。最初のドライバー交代ポイントとなるエメラルドスプリングス(192km地点)までに強豪チームの一角であるオランダの「Top Dutch Solar Racing」などを交わして5番手まで順位を上げ、伊坪岳陽さん(大学院工学研究科電気電子工学専攻2年次生)に交代しました。

伊坪さんは、最初のCPとなるキャサリン(317km地点)まで安定したドライビングを続け、その後は特別アドバイザーのシッド?ビッカナーバーさん(NASAジェット推進研究所)がステアリングを握りました。道中は、ブッシュファイヤーも発生する酷暑の中でのレースとなりましたが、指令車からの指示とシッドさんの豊富な経験を生かしたドライビングで、レース終了の17時が迫る16時33分に第2CPのダンマラ(633km地点)に5番手で到着しました。各CPでは30分の停止が義務付けられているため、明日はスタート時刻から3分の停車を含む8時3分にレースを再開します。 佐川総監督は、「スタート時不具合が発生し万事休すかと思いましたが、トラブルシューティングを進めるにつれ、発生する条件が見えてきました。車を停止させ本格的に整備することができないため、運用で発生を回避する手段を見つけレース1日目を乗り切りました。今回はこの手法で乗り切りたいと思いますが、今後大きな問題になることはないと思います」と語っていました。また、1日目のキャンプ地をダンマラに決定したことについては、「レース後半にスピードを上げてダンマラを通過し、どこかでキャンプを張る選択肢もありました。ただ、これまでの経験から、樹木などで影が多く充電しにくい場所でストップすることになってしまうのは分かっていました。あえて無理をせず、明朝にしっかりとマシンを整えてからスタートすることに決めました」と振り返りました。広報班兼電気班で、スタート時のトラブルに対応した安齊空さん(工学部電気電子工学科4年次生)は、「スタートの様子を撮影しようとしていたところ、走り出せないマシンの姿が見えたので思わず走って向かいました。何度も電源を入れ直しているときは本当に怖かったのですが、何とか第2CPまでたどり着けてホッとしています。今晩のうちに原因をしっかりと究明したい」と話しました。プロジェクトリーダーの宇都一朗さん(大学院工学研究科電気電子工学専攻2年次生)は、「ドライバー交代やCPでの動き方など先生方やメンバーと協力して迅速に動けていたと思います。先頭とは1時間以上の差がついてしまいましたが、まだまだレースは始まったばかり。私たちは2019年大会で準優勝に終わった悔しさを晴らすために来たので、全くあきらめていません」と抱負を語っています。

10月23日-大会2日目-

レース初日を第2CPのダンマラ(633km地点)で終えた澳门特区赌场_澳门英皇娱乐_彩客网官网推荐ソーラーカーチームは、10月23日早朝から同地でマシンの充電や整備を進めました。午前8時3分に佐川耕平総監督(工学部機械システム工学科講師)がドライバーを務めて再びスタートを切ると、道路工事による信号停止の影響を受けながらも、4位「チーム?ソネンワーゲン?アーヘン」(ドイツ)とは45分差の5位で第3CPのテナントクリーク(985km地点)に到着しました。

その後は、岡本陽佑さん(大学院工学研究科応用理化学専攻1年次生)がドライバーを務め、安定した走行で第4CPのバロークリーク(1210km地点)まで走行。4番手のアーヘンとは35分差となり、第3CPでのタイム差から10分ほど縮めました。岡本さんは、「2019年大会も遠征メンバーとして参加しましたが、自分で整備した車体でオーストラリアの大地を走れて感動しました。ただ、高低差のあるコースで余分なエネルギーを使ってしまったので後悔もあります。また乗れるチャンスがあればうまくマネジメントしたい」と話しました。バロークリークからは伊坪岳陽さん(大学院工学研究科電気電子工学専攻2年次生)に交代。広範囲にわたるブッシュファイヤー(野火)の影響で視界や発電に支障も出ましたが、指令車の的確な指示の下、無事に約1300km地点にあるティーアイ?ツリーまで走り切りました。

2日目も5位でレースを終え、メンバーたちはさっそく整備に取り組みました。機械班の吉田遼汰さん(大学院工学研究科機械工学専攻1年次生)は、「3年次生だった2021年大会が新型コロナの影響で中止となったとき、“何としてもBWSCに出たい”と考え大学院に進学しました。いざ来てみると、地味な作業も多く、時間に追われるばかりで疲れもありますが、マシンが走行する姿を見るとこれまでにないほどの感動がありした。残りの日程もメンバーと協力して3000kmを完走したい」と語っています。コースの状態やCPの様子を伝える偵察車に乗る猶木愛子さん(工学部機械工学科2年次生)は、「レース中はどんなに細かいことでもメモを取り、無線で報告しています。まだまだ状況をうまく伝えられないので、できるだけ短く簡潔にレポートできるよう努力したい」と話しました。

また、本日から湘南キャンパスでは、気象情報をチームに伝える「湘南支援基地」の活動も始まっています。情報理工学部情報科学科の中島孝教授と理学部数学科の山本義郎教授、情報技術センターの岩下晋治技術職員による指導の下、情報理工学部や理学部、大学院理学研究科の学生、大学院生8名が参加。レース中は学生たちが交代で19号館に設置した基地に詰め、刻一刻と変わりゆく雲の様子や風向きなどを専用のネットワークを使って指令車に伝えています。ソーラーカーチームのメンバーでもある藤井沙彩さん(理学部数学科1年次生)は、「現地には行けませんでしたが、日本からチームを支えたいと参加しました。2日目を終えましたが、ここから前との差を詰められるよう私たちも頑張りたい」と話しています。学生たちと交信した木村英樹監督(工学部機械システム工学科教授)は、「これまでの大会でも、情報技術センターなどによる衛星画像を使った気象情報を生かしてレースプランを検討してきました。今大会からは、さらに情報科学科や数学科から多くの学生が参加してくれて大変心強く感じています。レース中はさまざまな情報が飛び交いますが通信環境は不良です。そのような環境下で日本から送られる情報は非常に価値が高く、有意義なことだと感じています」と語っています。 明日は午前8時から走行を開始し、第5CPのアリススプリングス(1494km地点)を目指します。

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10月24日-大会3日目-

前日にスタートのダーウィンから約1300km地点にあるティーアイ?ツリーまで走行していた澳门特区赌场_澳门英皇娱乐_彩客网官网推荐ソーラーカーチームは10月24日、早朝からうすい雲に覆われた太陽の下で発電と整備を進めました。午前8時から走行を開始し、第5CPのアリススプリングス(1494km地点)を目指して伊坪岳陽さん(大学院工学研究科電気電子工学専攻2年次生)がステアリングを握ります。先導車と指令車では、「湘南支援基地」=23日のデイリーレポートを参照=から届いた雲の様子や風向きなどの情報を分析した上で、前日発生したブッシュファイヤー(野火)による煙も残っており、日射量が少なかったことから、しばらくは速度を落とした走行を決断。第5CPまでに、「ミシガン大学ソーラーカーチーム」に先行を許したものの、その前を行く4番手の「チーム?ソネンワーゲン?アーヘン」とは35分差から10分縮めました。

その後の第6CPエルドゥンダまではカーブの多い区間ですが、特別アドバイザーのシッド?ビッカナーバーさん(NASAジェット推進研究所)が安定したドライビングで前進。5番手につけるアーヘンとは9分差、その前のミシガン大とは25分差となりました。初日からトップを走る「イノプタス?ソーラーチーム」とは2時間42分差となっています。第6CPからは佐川耕平総監督(工学部機械システム工学科講師)にドライバーを変更。快調なペースでレースを展開してオーストラリア大陸北部のノーザンテリトリー準州から南オーストラリア州へと入り、スタートから1750km手前で前を行くアーヘンをかわして前に出ると、そのまま17時のレース終了を1890km地点で迎えました。佐川総監督は、「午前中の段階で夕方までに天候が回復すると予想できていましたし、大会事務局が公開しているGPS情報をもとに、各チームのマシンの速度についても把握しながら作戦を検討しました。今日中にはアーヘンを追い抜けると見込んでいましたので、予定通りのレースができたと考えています。明日からは強風の中を走るレースになりますが、私たちはマシン開発の段階から十分な対策を講じてきたので、ここからはアドバンテージを持った状態で戦えると考えています。エネルギーマネジメントにも配慮して、一つでも上位に食い込んでいきます」と意気込みを語りました。

キャンプ地では、チーム全員でマシンの改善点や翌朝からの動きなどを確認。細かな整備を進める傍らで、無線や伴走車の燃料などを準備していた熊林楽さん(工学部機械工学科2年次生)は、「私の役割はメンバーがレースに集中できる環境づくりに徹することです。刻々と状況が変わる中でも常に視野を広く持つよう大会に臨んでいます。一方で、チームの順位が上がるのはもちろん、マシンが走る姿を見るたびに“もっと頑張ろう”とモチベーションも上がります。この先も自分ができる仕事をきっちり果たしていきます」と語りました。また、バッテリーの開発に当たった松崎智紀さん(工学部電気電子工学科2年次生)は、「BWSCに向けて毎日のように試行錯誤を重ねて完成したバッテリーですが、上位チームが我々よりも貯蓄できるバッテリー容量が高いものを使っていると聞いて“まだまだできることがあったのではないか”と自問自答しています。それでも優勝を諦めたわけではありません。今からバッテリーの構造は変えられないので私にできることは少ないのですが、仲間たちの仕事を手伝い、順調に走行できるよう貢献していきます」と話しています。

10月25日-大会4日目-

大会4日目を迎えたソーラーカーチームは10月25日、ダーウィンから1890km地点のキャンプ地からスタート。早朝から発電?整備を進めたマシンで第7CPのクッバーピディー(2178km地点)を目指し、佐川耕平総監督(工学部機械システム工学科講師)がステアリングを握りました。十分な発電量を得て快調に走行していましたが、2080km付近のグリッド※を通過後から車体後方で異音が発生したため、一度停車してマシンの状態を確認しました。リア側のタイヤハッチをはめ直して走り出すも、次には異音だけでなく、消費エネルギー量の増加やゴムが溶けるような異臭が確認されたため、2090km付近に再停車して内部を詳しく調べたところ、ボディと後輪をつなぐリアサスペンションアームの根元部分の剥離が判明しました。

今後の走行やドライバーの安全にも関わる重要なパーツの損傷だったため、佐川総監督や木村英樹監督(工学部機械システム工学科教授)、福田紘大監督(工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻教授)ら指導陣はリタイアも検討しましたが、学生たちは剥離した部分の予備パーツをドリルやディスクグラインダーで迅速に加工して接着。修理を終えた2時間後に、安全性を確認したうえで再びクッバーピディーを目指して走り出しました。整備に当たった機械班の亀山裕一郎さん(工学部動力機械工学科4年次生)は、「先生方から“リタイア”という言葉が出たときには、泣きそうになりました。何とかならないかとみんなで知恵を絞り、先生方からも多くのアドバイスをいただいて無事に修繕できて本当によかったです。2時間の作業時間を数分に感じてしまうほど、集中して作業に当たりました」と語り、ドライバーも務める岡本陽佑さん(大学院工学研究科応用理化学専攻1年次生)は、「今回剥離した部分は、車体の軽量化を図るために耐久性に考慮しながらもチャレンジングな設計を施したパーツでした。そういった箇所に不具合が出てしまった悔しさもありますが、またアデレードを目指して走れることに安堵しました」と話しました。

修繕作業の間に6番手だった「チーム?ゾーネンワーゲン?アーヘン」と7番手の「トップ?ダッチ?ソーラーレーシング」に先行を許し、クッバーピディーへと到着。30分の義務停車後に再度リアタイヤ周辺を入念にチェックしてから第8CPのグレンダンボ(2430km)へスタートしました。2250km付近でトップ?ダッチを交わして6番手に浮上。この日は2367km地点のキャンプ地でレースを終了しました。佐川総監督は、「アクシデントはありましたが、無事にレースに復帰できてまずは安心しています。しかし、損傷部分が完璧に直っているわけではないので、今晩中にしっかりと補強して明日のレースに臨みます」と振り返りました。

※グリッド:牛などの家畜の道路横断を防ぐために道路上に敷設された鉄柵

10月26日-大会5日目-

「ブリヂストン?ワールド?ソーラー?チャレンジ(BWSC)」に参戦しているソーラーカーチームは10月26日に、2367km地点のキャンプ地をスタート。第8CPグレンダンボを目指して、岡本陽佑さん(大学院工学研究科応用理化学専攻1年次生)がステアリングを握りました。晴天のもと快調なペースでレースを進め、8時42分にグレンダンボに到着。大会当局から前日の損傷箇所の検査を受けたあと、特別アドバイザーのシッド?ビッカナーバーさん(NASAジェット推進研究所)へとドライバーを交代し、第9CPのポートオーガスタを目指して再スタートを切りました。Tokai Challengerは強風の中、平均90kmから100kmで走り続けます。2600km付近ではキャノピーに不具合が出たため2度停車しましたが、その後はトラブルなく走行しポートオーガスタには6番手でたどり着きました。最後のCPを通過し、いよいよゴールのアデレードへと突き進むラストランでは、佐川耕平総監督(工学部機械システム工学科講師)がドライバーを担当。2764km地点で、トラブルで停車していた「チーム?ゾーネンワーゲン?アーヘン」をかわしました。その後はトラブルなく順調に進み、16時58分に5位でゴールに到着しました。

学生リーダーの宇都一朗さん(大学院工学研究科電気電子工学専攻2年次生)は、「4年間かけてマシンを制作し、十分な準備をしてきたつもりでしたが、世界一にはなれませんでした。卒業した先輩たちの思いや日ごろから支えて下さったスポンサー企業、大学関係者の皆さまへの感謝を乗せて走ってきたので、申し訳ない気持ちです」と悔しさをにじませ、「今大会はほとんどのメンバーが初めての国際大会だったので、すべての時間がチームにとって有意義なものになりました。2年後の大会に残るメンバーも多いので、国内に残ったメンバーも含めてこの経験を共有していきます」と語りました。佐川総監督は、「4日目にトラブルが発生した際に、マシンはリタイアも検討しなければいけないほどの損傷を受けました。それでも学生たちは迅速な対応で整備を終わらせ、約2時間の停車で再スタートを切れました。おそらく、ダーウィンをスタートした直後のチームでは対応できなかったと思います。レース中には、教科書通りにものごとが進むことはほとんどありません。刻々と変わる状況の中で挑戦し続けたからこそ、学生たちは大きく成長してくれました」と話しました。木村英樹監督(工学部機械システム工学科教授)は、「5日間のレースを振り返ると、スタートでいきなり発進できず、ブッシュファイヤー(野火)の煙や曇り空で発電も予定通りいかない時間も続いたうえに、大きなアクシデントにも見舞われました。さまざまなことが起きながらも予定通り5日間でゴールできた点はよかったと思います。マシンの設計自体もリサイクル材を活用したり、軽量化を進めたりとさまざまなチャレンジを続けてきましたから、準備期間を含めて学生にとっては非常に大きな学びの場になりました」と振り返りました。

10月27日-セレモニーゴール-

「ブリヂストン?ワールド?ソーラー?チャレンジ」に出場したソーラーカーチームは、10月22日から26日の5日間でダーウィンからアデレード間3021kmを走破。27日朝にはアデレード市内のヴィクトリアスクエアでセレモニーゴールに臨み、大会関係者や地元住民らから歓迎と労いを受けました。メンバーたちは23年型Tokai Challengerとともに国旗や校旗を振りレッドカーペットを行進。ゴールゲートを越えると、日本から持ち込んだ福島県?人気酒造製のスパークリング大吟醸でシャンパンファイトをして、改めて完走を果たした喜びを爆発させました。華々しいセレモニーを終えるころに6位の「トップ?ダッチ?ソーラーレーシング」もゴール。ソーラーカーチームのメンバーも拍手で出迎え、ハイタッチで健闘をたたえ合いました。その後、両チームの選手たちは、ヴィクトリアスクエア内の噴水に飛び込み、水を掛け合いながらお互いのチーム名などを叫んで盛り上がりました。

2019年度大会に続き2度目のBWSCに挑んだ藤原圭佑さん(大学院工学研究科電気電子工学専攻2年次生)は、「前回はあまりチームに貢献できないままゴールを迎えましたが、今回は車体の設計段階から携わることができたので喜びもひとしおです」と笑顔を見せ、梅田雄大さん(工学部電気電子工学科4年次生)は、「前日はトラックの運転サポートをしていたので、残念ながらゴールの瞬間に立ち会えませんでした。今日のセレモニーで完走を実感し、本当にうれしかったです」と振り返りました。また、熊林楽さん(工学部機械工学科2年次生)は、「2019年度大会のゴールの様子は写真や動画で見ていたので、自分がその場にいることが夢のようで、先輩たちと同じように喜びを爆発させました。海外チームと交流もできて充実した時間を過ごせていますが、やはり5位という順位には悔しさがあります。2年後の大会で世界一を奪還できるように、反省点を探りながら、トップチームに負けないマシンを作り上げたい」と目を輝かせていました。

10月28日-マシン展示&帰国準備-

ソーラーカーチームは10月28日、ゴール会場で約3000kmを走り切り5位に入ったマシン2023年型「Tokai Challenger」を展示したほか、帰国に向けた荷物整理などに取り組みました。

今大会では、途中でのリタイアも含めアデレードへとたどり着いたすべてのチームのマシンがゴール会場のヴィクトリアスクエアに展示されます。会場には地元住民や各チームの関係者、報道関係者らが来場し、Tokai Challengerをはじめ、優勝したベルギー「イノプタス?ソーラーチーム」や2位のオランダ「ソーラーチーム?トゥウェンテ」などのマシンを熱心に見学する様子が見られました。東海大チームのブースでも学生たちが交代で説明係として待機し、来場者からの「マシンの重さはどれくらいですか?」「バッテリーの性能について教えてほしい」といった質問に一つひとつ丁寧に答えていました。説明に当たった亀山裕一郎さん(工学部動力機械工学科4年次生)は、「国内でも地域住民の方々や高校生にソーラーカーの魅力を伝えたことがありますが、海外チームからの質問は専門性に富んでおり、とても勉強になりました。後輩たちにもこの経験や知識を伝えて、次大会へ生かしてほしい」と振り返りました。

一方、レースを終えたチームは、マシンや荷物の運搬で使用したトラックをはじめ、共に走行した指令車や先導車、伴走車、偵察車といったサポートカーをアデレード市内のヴィクトリアパークに停車しています。学生たちは、衛星通信機、無線機や警光灯、ステッカーを外して元の状態に戻すとともに、マシンや整備器具などを日本に送り返す通関の準備を進めました。また、夜にはアデレード市内の飲食店でメンバーが一堂に会して慰労会も開催。レースの思い出話や帰国後のスケジュールなどを相談しながら、英気を養いました。学生たちは、「いよいよ明日は閉会式で、少しさみしさもありますが、わずかな時間でも楽しみながら貴重な経験を積みたい」と目を輝かせていました。

10月29日-パレード走行&表彰式-

1週間にわたって開かれた2023ブリヂストン?ワールド?ソーラー?チャレンジ(BWSC)が10月29日に最終日を迎え、アデレード市内でパレード走行と表彰式が行われました。5位となった澳门特区赌场_澳门英皇娱乐_彩客网官网推荐ソーラーカーチームは、長年にわたる大会発展への貢献と今大会の公正かつ紳士的なレース内容が評価され、「デービッド?フューチャク賞」を初めて受賞しました。

パレードはゴール地点であるヴィクトリアスクエアから約1km先のヴィクトリアパークまでの区間で実施されました。ソーラーカーチームは、学生ドライバーの岡本陽佑さん(大学院工学研究科応用理化学専攻1年次生)がステアリングを握り、現地警察に先導されて各チームのマシンとともに走行。岡本さんは、「レースを完走できたチームもあれば、できなかったチームもある中で、全てのマシンと一緒にアデレードの市街地を走ることができて感動しました。ソーラーカーの偉大さや魅力を改めて実感しながら運転できました」と振り返りました。

夕方からアデレードコンベンションセンターで開かれた表彰式では、大会関係者によるあいさつやレースの模様が収められたダイジェスト映像が上映されたあと、各賞が発表されました。ソーラーカーチームが受賞したのは、1999年のBWSCで優勝したオーストラリアを代表するチーム「オーロラ」のリーダーを務め、国際ソーラーカー連盟の運営を牽引するなど業界の発展に大きく貢献したデービッド?フューチャク氏の名を冠した賞です。ステージでプロジェクトリーダーの宇都一朗さん(大学院工学研究科電気電子工学専攻2年次生)にトロフィーを手渡したジョン?ストーレイ氏は、「澳门特区赌场_澳门英皇娱乐_彩客网官网推荐は毎年革新的で魅力的なマシンを開発し、世界のソーラーカー業界を牽引しています。今大会でも高いマシン性能はもちろん、公正かつ他チームの見本となるレースを見せてくれました」と選考理由を語りました。木村英樹監督(工学部機械システム工学科教授)と佐川耕平総監督(工学部機械システム工学科講師)は、2010年に亡くなったフューチャク氏と生前に深い親交があり、木村監督は「彼は非常にフレンドリーで明るく、誰からも愛される人物でした。ソーラーカーの発展を語るうえで、欠かすことのできないフューチャクの名がついた賞を受賞でき光栄です」とコメント。佐川総監督は、「彼はこの業界に携わる私たちに、大きな夢や希望を与えてくれた人物。受賞に恥じない活躍を続けるためにも、今後も国内外問わず視野を広げながら、自分たちに足りないものを常に探しながら、よりよいチームへと成長していきたい」と抱負を語りました。

今大会のすべてのプログラムが終了し、宇都さんは、「5位だったこともあり、賞はもらえないとあきらめていたので、名前が呼ばれたときにはとてもありがたく感じました。それでも、上位チームがトロフィーを受け取る際には悔しさが込み上げてきたので、後輩たちにはまた世界の頂点に立てるよう、今日の思いを忘れないでいてほしい」とメッセージを送りました。初めての国際大会参戦となった二ノ宮孝仁さん(情報理工学部情報科学科2年次生)は、「優勝したイノプタス?ソーラーチームとは、大会前に車体を整備するピットが隣同士でした。作業の様子を見て完成度の高さは感じましたが、私たちもマシンの軽量化や空力特性に工夫をしてきたので、十分に戦えると考えていました。しかし、レースが始まると圧倒的な差がありました。今日改めてイノプタスのメンバーが喜ぶ姿を間近にして、世界トップとの差を痛感したので、25年大会までに逆転できるようがんばりたい」と話し、熊林楽さん(工学部機械工学科2年次生)も「トップチームへの賞賛と悔しさが入り混じった複雑な心境で表彰式を見ていました。これまでに感じたことのなかった思いを抱けただけでも、この場に来れてよかったと思います。今の気持ちを次大会へとつなげて25年はステージで喜びを爆発させたい」と意気込みを語りました。

チームは、メルボルンからマシンや備品を輸送する一部メンバーを除き、明日30日にアデレードを出発。シドニーを経由して31日に日本に帰国します。皆さまのご声援ありがとうございました。