中部大学×地球市民セミナー「地球市民のルネッサンス~ダイバーシティとフェアネスの観点から~」を開催しました

澳门特区赌场_澳门英皇娱乐_彩客网官网推荐では5月28日に高輪校舎で、昨年12月に包括協定を締結した中部大学との共催で地球市民セミナー「地球市民のルネッサンス~ダイバーシティとフェアネスの観点から~」を開催しました。現代社会を多角的にとらえるとともにグローバル社会の未来を描くために必要な価値観について考える機会にしようと企画したものです。中部大学工学部建築学科の山羽基教授と本学文明研究所の平野葉一客員教授による基調講演と、両大学の教員が登壇してのパネルディスカッションを実施。当日はオンラインとのハイブリット形式で、両大学学生、教職員合わせて約200名が出席しました。

まず本学の山田清志学長があいさつに立ち、「今の地球、社会を取り巻く状況は混迷を極めており出口が見えない状況が続いておりますが、今回のセミナーを通じて『地球市民』という言葉の意味を再確認し、我々がこれから歩んでいく道の糧としたい」と期待を語りました。続いて中部大学の飯吉厚夫理事長?総長が、「コロナ禍をはじめウクライナ侵攻といった国際紛争、地球温暖化に代表される環境問題と社会は混沌としており、まさに地球市民として諸課題へ取り組むことが求められています。ダイバーシティとフェアネスの価値観は未来へ必要不可欠であり、私たち大学人には地球市民としての若者をいかに育てていくかが問われています。本セミナーで幅広い議論を期待するとともに学生たちには世界市民の一人としての学びのヒントをみつけてほしい」と語りました。

司会進行を務めた国際学部国際学科の吉川直人教授による本セミナーの趣旨説明に続いて、山羽教授が「地球市民の居住環境をささえる科学技術と課題」と題し、平野客員教授が「地球環境に生きる―未来を志向するルネサンス」をテーマにそれぞれ講演。山羽教授は専門であるエネルギーマネジメントの視点から、現代社会の建築物における空調管理や省エネルギー技術の最新情報を示しつつ、地球市民がフェアに安全な環境を享受できる社会の実現に向けた方策を語りました。また、平野客員教授は、文明研究所のプロジェクトとして取り組んできた「環境QOL」について紹介。現代文明と人間の生活が地球規模的な持続可能に支えられるという考え方を基礎として、「人間生活の豊かさと自然環境の維持」の両立を検討する視点に基づいた環境QOLの概念や、未来志向の取り組みについて提言しました。

後半は基調講演を務めた2名に加えて、中部大学人文学部コミュニケーション学科の柳谷啓子教授、本学教養学部人間環境学科の内田晴久教授、本学政治経済学部政治学科の辻由希教授も登壇。まず柳谷教授と内田教授、辻教授がそれぞれの専門分野における取り組みを紹介しました。続いて、吉川教授による進行で質疑応答を行い、会場も交えて熱心な意見交換が行われました。最後に中部大学の竹内芳美学長が閉会にあたって関係者への謝辞を述べるとともに「現代社会はVUCAの時代と呼ばれていますが、VUCAとは『Volatility(変動性)』『Uncertainty(不確実性)』『Complexity(複雑性)』『Ambiguity(曖昧性)』という単語の頭文字を取った単語です。現代社会はこの言葉が表すようにあらゆることが複雑に絡み合い、干渉しあい、簡単には結論が出せない状態となっています。本日の議論ではさまざまな科学技術を用いた環境保全などが語られ、『地球市民』という言葉の重要性を認識する機会になりました。またセミナーのタイトルにあるルネッサンスは『再生』を意味しています。混沌とした時代だからこそ地球市民である我々は再生に向けて動き出さなければなりません」と語りました。