アブサロン大学、ロスキレ大学とTUECとの連携についてディスカッションをしました

デンマークにあるヨーロッパ学術センター(TUEC)のスタッフ一同で9月27日に、同国のロスキレにある、アブサロン大学(UC)とロスキレ大学を訪問。

アブサロン大学は、本学の2018年改組前の医学部?健康科学部(看護学科?社会福祉学科)時代の研修団を過去に複数回受け入れ実績のある機関です。これまで受け入れ担当をされていたアブサロン大学のアンドレイ?ルキャノフ?レンテリア(Andrey Lukyanov-Renteria)教授によると、アブサロン大学では、障がいのある子どもなど多様なバックグランドのある子どもの教育やソーシャルワークにも力を入れているということでした。TUECの堀真奈美所長(健康学部教授)は、「2022年に設立された本学の児童教育学部の創設理念にも通じると感じました。それぞれの組織の専門性や特徴、ニーズにあった機関間で連携を図るようにすると、教育連携のみならず、将来的には学術?共同研究の発展にもつながるのではないか」と述べました。

また、ロスキレ大学では、北欧研究所を主宰し、デンマークと日本をつなぐ活動を展開している研究者で同大准教授の安岡美佳氏と、今後の連携についてディスカッションしました。安岡氏の専門であるイノベーションとデジタル化の視点からサステナブルな経済と環境のあり方、デンマークならではの工夫や思考方法についての話を伺いました。

また、同大学にも設置されている、多様な工作機械を備えたオープンな市民工房の世界的ネットワーク「ファブラボ(FABLAB)」について担当者の方から説明を受けました。安岡准教授は、「Digital Fabricationが由来のファブラボは、マサチューセッツ工科大学発祥ですが、デンマークでは、他にもイノベーション空間がたくさんあり、活用されています。デンマークは北欧の小さな国でありながら、イノベーション先進国であることを知ってほしい」と述べられました。

最後に、2022年に出版された安岡氏のサイン入りの著書『北欧のスマートシティ:テクノロジーを活用したウェルビーイングな都市づくり』(学芸出版社)がTUECに寄贈されました。同書は「オープンデータ」「電子政府」「リビングラボ」「グリーンモビリティ」「クリーンテック」「ヘルステック」など、豊富な事例とともに考察されています。

なお、ヤコブ?スキュット?イエンセン事務長は、「安岡さんには、11月23日(木?祝、日本時間夕方)にTUECで開催予定の国際セミナー『New Digital Technologies and Ageing Society: Health sector initiatives in Japan and Denmark(高齢社会と新しいデジタルテクノロジー:日本?デンマークのヘルスセクターのイニシアティブ)』でも講演(英語)いただく予定です。現在、こちらのスタッフ一同で準備を進めていますが、改めてご案内したい」と述べました。