ヨーロッパ?アメリカ学科准教授 原基晶と丸山雄生がシンポジウムに登壇しました

11月29日、文学部開講の講義科目「知のフロンティア」の一回を使ってシンポジウム「文化知と学問」が開かれ、ヨーロッパ?アメリカ学科から原基晶准教授と丸山雄生准教授が参加しました。

実施したシンポジウムの概要は以下の通りです。

主催:澳门特区赌场_澳门英皇娱乐_彩客网官网推荐文明研究所および文化社会学部ヨーロッパ?アメリカ学科
タイトル:「文化知と学問」
日時:2023年11月29日(水)※開催済
司会:平野葉一(文明研究所)

発表:安達未菜(文明研究所)「ミストラルとプロヴァンス文学」
要旨:ミストラルの長編叙事詩『ミレイオ』はロマン主義文学として評価されてきた。
本発表ではミストラルが必ずしもロマン主義に賛同しておらず、その評価が執筆者の意識と乖離していたことを示した。
また、プロヴァンスでロマン主義文学と認識される転換期が1930年であることを論じた。

発表:原基晶(文化社会学部ヨーロッパ?アメリカ学科)「ダンテ?アリギエリとは誰なのか?」
要旨:世界文学史上の巨人ダンテの創作の原動力は初恋の人ベアトリーチェであるとされてきた。
本発表では近年出版された伝記を検討。若き日のダンテの私的生活は実際には不明であり、作品分析から彼がおそらくベアトリーチェに恋した事実はないことを論じた。

発表:丸山雄生(文化社会学部ヨーロッパ?アメリカ学科)「ミュージアムと標本主義(specimenism)」
要旨:近年、世界のミュージアムでは脱植民地化と呼ばれる変化が続いており、先住民や植民地の搾取によって成り立ってきたミュージアムのあり方が見直されている。その一方で、動物の生への配慮は依然として抜け落ちている。
このミュージアムにおける種差別主義(speciesism)を、本報告では標本主義(specimenism)として定義した。

「知のフロンティア」の履修者を中心として、100名以上が参加する賑わいを見せ、発表後には活発な質問が相次ぎ、充実した議論となりました。