文芸創作学科OGで編集者の得能薫さんが、母校を再訪してくれました

文芸創作学科OG(2019年卒)の得能薫さんが、5年ぶりに母校を訪ねてくれました。
在学中から編集者志望で、本をよく読み、すぐれた卒論を書き上げて卒業し、今は編集者として活躍されています。
以下は、本人からのコメントです。


私は小さいころから本が好きで、編集者になりたいという夢をもち、文芸創作学科に入学しました。
就活時には元編集者の先生に進路指導を仰ぐこともありました。ですが、4年次は、出版社は全て不採用でした。
倍率の高い業界なので、うまくいかないことは重々承知です。とはいえ簡単には諦められず、出版社で編集アシスタントのアルバイトをしながら就活を続けました。
そして現在は、東京の編集プロダクションで主に集英社の少年?青年マンガの単行本の編集を担当しています。
私の進路はかなり特殊で、賭けでもあるので正直おすすめは出来ません。アルバイト時代、周りの方の理解と助力のおかげで、今こうして編集者として働けています。

皆さんの中には、出版社に入って編集の仕事に就きたいと志望している方もいらっしゃるかと思います。
最近では、だいぶ学歴が重視されなくなったとはいえ、入りやすくなったわけではありません。
新卒で入るためにはかなりの努力と勉強が必要です。
私は就活中に周りの方から「趣味と仕事は違う」とよく言われていました。
皆さんは本が好きだから出版社に入りたい人が多いと思います。自分が憧れる作家の担当になって一緒に面白い本が作りたい。そう思っている人が大半だと思います。
ですが、実際の編集の仕事の9割は、売れる作品を企画して、大勢の人に買ってもらうための販促を考えて打つことです。
面白い本を売るのではなく、売るために面白い本を考えることが編集者です。難しいですね…。

編集者になりたい皆さんは、これから学外で本以外に全力で打ち込めるものを1つ見つけて、それを全力で楽しんでください。できれば、家の外に出て行うものだとなおいいです。様々な物にふれ、多くの知識を学んでください。好奇心と教養は大きな武器です。
文芸編集といってもジャンルは多岐にわたります。どんなものでも最低限の興味が持てるようにならないと仕事になりません。
大学在学期間は一番時間がある時ですので、本以外で本気で打ち込めることを探してみてください。

私も最終目標は文芸編集です。自分のやりたいことのために今は実績を積んでいる道半ばです。皆さんも自分の夢に向かって全力で頑張ってください。
将来、皆さんと同じ業界で働けること楽しみにしております。


得能さんの今後の活躍が愉しみです。