ヨーロッパ?アメリカ学科 南フランスのアルプス地域にあるキリスト教の中世聖堂建築の調査を行いました

2024年の3月は、南フランスのアルプス地域にあるキリスト教の中世聖堂建築の調査を行いました。
とりわけオート?ザルプ県は、いわゆるフレンチ?アルプスにあって、標高2千?3千メートルの山々が連なっています。

この時期は積雪もあって、レンタカーなどではなかなかアクセスするのが難しいのですが、今回行った標高1500メートルの村ラ?グラーヴには12世紀の美しいロマネスク様式の聖堂がありました。またさらにその上にあるレ?テラス集落(標高約1800メートル)にも味わい深いサン=マテュー教会があります(写真)。実はこの聖堂は19世紀に建てられたもので、それほど古いものではありません。しかしその鐘塔や、この地方によく見られる玄関ポーチなど、中世ロマネスク建築の雰囲気をしっかりと保って建てられており、そうした古い雰囲気と周囲の高い山々が美しく調和しています。歴史と伝統を大切にするフランスのやり方は、私たちにとっても大いに参考になるものだと言えるでしょう。

ヨーロッパ?アメリカ学科 中川 久嗣