機械工学科の窪田講師の研究が英国の科学雑誌『Impact』で紹介されました

工学部機械工学科の窪田紘明講師の研究がこのほど、英国Science Impact社の科学雑誌『Impact』で紹介されました。同誌は世界の大学、研究機関、国家及び地域の資金提供機関、制作、政府、民間及び公共部門における主要研究出資者3万5000名の読者に向けて印刷版とデジタル版で配布されています。

今回紹介された窪田講師の研究テーマは「強制潤滑法によるハイドロフォーミングの自在板厚制御(Flexible thickness control of hydroforming by forced lubrication method in arbitrary region and time)」です。窪田講師はこれまで、自動車や医療機器などの材料となる鉄の管(チューブ)の高強度化を実現させるために、加工技術の開発に取り組んできました。チューブを金型に入れて水圧で膨らませる「ハイドロフォーミング」に着目し、チューブと金型の間に強制的に潤滑剤を注入することで摩擦を軽減させ、材料が割れやすいという課題を解決した技術は特許も出願しています。さらに近年、塑性加工にAIを活用する事例は多く、特にフレキシビリティの高い技術はAIとの相性がいいと言われていることから、窪田講師は、「これまでの研究成果とAIをかけ合わせ、さらに発展させられないかと考えました。AIを活用することで狙い通りの加工条件を簡単に導き出せ、潤滑油の量やタイミングを調整することで肉厚の強弱もつけられるようになりました。今後、実証実験を重ねて将来的に実用化されれば、より軽くて強度の高い部品を作り出すことが可能になります」と話しています。

窪田講師は、「本学の連合後援会研究助成と総合研究機構研究奨励補助を受けてスタートした研究をステップアップさせて、英国の科学雑誌で紹介される結果につなげられてうれしく思います。技術の発展に協力してくれた研究室の大学院生、学部生たちにも感謝したい」と話しています。

『Impact』の電子版は世界の学術誌ポータルサイト「Ingenta Connect」で閲覧が可能です。
https://www.ingentaconnect.com/contentone/sil/impact/2024/00002024/00000001/art00009