原子力工学科1年次生を対象に、卒業生の講義を通して将来像を考えるプログラムを実施しています

工学部原子力工学科では秋セメスターに開講している1年次生対象の「入門ゼミナール2」で、原子力関連の企業や研究機関で活躍している卒業生による講演会を中心に、学生自身が自ら考えながら学生生活の過ごし方や将来像を考える授業を取り入れています。事前講義と講演会、振り返りのグループワークで構成される3回の授業をワンセットとして、計5セットで実施。授業では最初に、企業や研究機関の業務と関連資格について調べる課題が与えられ、学生たちはその内容を「スキルノート」に記入。第1回の授業ではそれぞれの調査結果を持ち寄って、教員から不足部分や改善点について指導を受け、講演会で質問したい内容をリストアップしました。第2回の授業では、卒業生が企業の概要や仕事をする上で必要になる資格、学生時代の過ごし方などについて実体験を交えて講義し、学生たちは「スキルノート」にメモしながらまとめていきました。第3回では、その内容を共有して理解を深め、最後にグループごとに成果を発表しました。

10月9日には長沖吉弘氏(大学院工学研究科応用理学専攻1992年度修了?国立研究開発法人日本原子力研究開発機構高速炉研究開発部門)が「次世代高速炉サイクルの研究開発の現状と今後について」と題して講演。自身が経験した研究開発、製造、プロジェクトについて触れながら、高速炉や核燃料サイクルの開発研究について説明しました。また、11月27日には舩山謙哉氏(本学科2003年度卒?株式会社日本環境調査研究所)が、「放射線にかかわる人を支える仕事」と題して講演。自身が携わっている作業環境測定士の仕事内容について、実際に使用している機材も紹介しながら説明し、「本学科で在学中に取得できる放射線取扱主任者の資格を持っていると、作業環境測定士試験の1次試験が免除されます。在学中にぜひ取得するよう心がけてください」とアドバイスしました。

学生たちは、「原子力技術の中心にいる人の経験を聞けるのはとても貴重な機会。将来の参考にしたい」、「原子力は技術開発も難しいけど、原子炉などを作るときには地域住民へ理解を得ることも必要。そのための努力など、研究以外の実務にかかわる話も聞けるのもメリットです」と感想を話しています。

授業を担当する吉田茂生教授は、「入門ゼミナールは、1年次生には高度なものも多くありますが、2年次以降の専門課程で何を学ばなければならないのかを見定めるうえでも大変重要な授業であり、学生たちの自覚につながると考えています。また、その場では理解できなくても、とにかくメモして後で調べるスキルは社会に出てからも欠かせません。授業はそうした力を養う場にもなると期待しています」と話しています。

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