窪田講師が田中貴金属記念財団「貴金属に関わる研究助成金」のゴールド賞を受賞しました

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工学部機械工学科の窪田紘明講師が、3月31日に発表された田中貴金属記念財団「貴金属に関わる研究助成金」のゴールド賞を受賞しました。同助成金制度は1999年度から毎年実施されており、23回目となる今回は「貴金属が貢献できる新しい技術や研究?開発」が募集され、137件の応募の中から23件の研究に対し総額1660万円の助成金が贈られています。4月19日には田中貴金属グループ田中貴金属工業株式会社の担当者が湘南校舎を訪れ、窪田講師に金箔が施された盾が贈られたほか、窪田講師と熊本春輝さん(大学院工学研究科機械工学専攻2年次生)が研究概要を説明しました。

窪田講師の研究テーマは「貴金属含有電子部品のモデルベース設計?生産技術開発の高度化」です。スマートフォンなどに搭載されるモバイルカメラは高性能化の一途をたどっています。そのなかでもレンズの大型化によって、光学手ぶれ補正の実現にはレンズを支えるサスペンションの役割を担う「ばね」の耐久性の向上が求められています。窪田講師は企業と共同で直径20μmの銀と銅の合金製ワイヤを複数本束ねて撚り合わせたばねを開発。熱処理によって形状を維持させる新しい構造によって耐久性が大幅に向上することを実証しました。

窪田講師は実際に部品を試作して評価していた従来の開発工程を、コンピュータシミュレーションや数学的なモデルに置き換えることで試作コストや設計のやり直しの手間を削減する技術を研究しています。今回の部品開発はこの技術を適用したものです。窪田講師は、「製品設計?試作?工程設計に関するコストおよび工程作業時間を最小化するための方法を検討してきました。今回その有効性が確認できとても嬉しく思います。今後、さまざまなばね性を持つ部品の開発へ応用して行きたい」と話しています。