大学院工学研究科の学生2名が「歴史的空間再編コンペティション」で入賞しました

 大学院工学研究科2年次生の山田康太さんと1年次生の松本乙希さん(指導教員=野口直人助教?建築都市学部建築学科)が11月19、20日に、金沢学生のまち市民交流館で開催された「歴史的空間再編コンペティション」で入賞しました。全国の歴史的空間を再編する設計作品が対象で、1次審査を通過した30作品で行われた2次審査では学生が3分程度でプレゼン。10作品による最終審査を経て、各賞が決定しました。

9位に入賞した山田さんの作品「参拝の蘇生―地形を踏襲し、視線で街を紡ぎなおす四つの拠点―」は、昨年度春学期の授業「建築設計スタジオ」で兼平充さん(大学院工学研究科2021年度修了)、前川凌さん(同)とともに取り組んだ神奈川県伊勢原市の大山に関する課題をブラッシュアップしたものです。大山には「阿夫利神社」と「大山寺」があり、古くから多くの参拝者が訪れていましたが、近年はバスや自動車で新道を通って門前町上部のターミナルまで行き、登山に向かう人が増えています。山田さんらは何度も現地調査に出かけ、新道の対岸にある旧道と、そこに点在する石碑や玉垣などの歴史的アイコンが目立たなくなっている点に着目。「新道沿いに拠点となる4つのSiteを作り、地形に合わせて高低差をつけて視線を変えることで、歴史的アイコンや風景への気づきを与え、街を縫うように人の動線を生み出す案を考えました。オオヤマザクラや竹林の奥に隠れた公園にも目が向き、川や滝も身近に見られるよう設計しています。新道の中でも、歩道のない場所にあるバス停をSite内に移設し、安全にバスを待てる居場所にしています」と説明しました。

 松本さんは工学部建築学科の卒業設計で制作した「真鶴を継ぐ~修繕によって蘇る採石場の新たな風景~」を出展。惜しくも2次審査通過はなりませんでしたが、12位となりました。神奈川県真鶴町の採石場では日本三大名石の「本小松石」が採掘される一方、終わった場所は埋め戻されており、「歴史ある美しい風景を単なる地形の修復によって隠してしまうのはもったいない」と陶器の修繕方法である金継ぎの特性を用いて点在する採石場を屋根でつなぎ、地形を生かした施設に転用する案を考案。これまでに「毎日?DAS学生デザイン賞」の「大学生の部 金の卵賞」で建築部門を対象とする「佐野正一賞」なども受賞しています。「プレゼンに向けて石のリアルさなどを追求し、自然の持つ力強さを感じられる建築を意識して準備しました。審査員の方からは採掘場に建設するための工夫や実現性について厳しい意見もいただきましたが、コンペによってさまざまな人の講評を聞くことができ、ほかの学生との交流も通して今後の作品に生かせるヒントをもらえました」と語りました。

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