健康学部とヨーロッパ学術センターがVIA大学とともに「QOLヘルスセミナー」を開催しました

健康学部とヨーロッパ学術センター、デンマーク?VIA大学が11月29日にオンラインで、QOLヘルスセミナーを共同開催しました。本セミナーは、1970年にデンマーク?コペンハーゲンに開設したヨーロッパ学術センターの50周年を記念し、2020年度からQOLと健康に着目したテーマで毎年開かれているもの。4回目の開催になった今回は、「動的バランス?コントロールと歩行~6スポットステップテストと2ステップテスト~」をテーマに実施され、本学からは、健康学部健康マネジメント学科の遠藤慎也助教が講演しました。また、本セミナーでは初めてパワーポイントの音声翻訳システムを活用。演者らが母語で発表した内容は、日本語もしくは英語の字幕で表示されました。

講演では、VIA大学保健福祉技術研究センターでリハビリテーションの研究に取り組むジョン?ブリンクス准教授が、「ステップ?テスト~歩行の敏捷性と機能的な可動性の臨床テスト~」と題し、5mのコース上、左右に置いてある5つの木のブロックを蹴る課題に取り組みながら歩く「6スポットステップテスト」を紹介。歩きながら数字を使った簡単な認知機能試験も足すことで、「パーキンソン病患者や高齢者などの歩行状態や転倒リスク、識別機能について検証できます」と語りました。遠藤助教は、「健康寿命を縮める“ロコモ”の評価方法と今後の課題」として、運動器の障害によって移動機能が低下した状態を指す「ロコモティブシンドローム」の略称である「ロコモ」について解説。ロコモの段階を測定できる「ロコモ度テスト」の内容を紹介したほか、本学の学生約900名を対象に授業内で実施したテストで、約3割の学生がロコモと判定されたことを報告しました。

遠藤助教は、「ロコモは重症化すると転倒リスクが高まるほか、認知機能の低下やがんにも関連します。特に日本人は世界的に見ても座位時間が長く、仕事中の身体活動量の見直しも必要です。日常生活に運動習慣を取り入れ、早期から対策をしていきましょう」と締めくくりました。各講演の終了後には質疑応答の時間が設けられ、活発な議論が展開されました。