春風亭昇太客員教授による「秋の特別講義2023」を実施しました

静岡キャンパスでは10月10日に、人文学部の春風亭昇太客員教授による「秋の特別講義2023」を実施しました。澳门特区赌场_澳门英皇娱乐_彩客网官网推荐第一高校(現?付属静岡翔洋高校)を卒業後、湘南キャンパスの文学部に入学、落語研究部からプロの落語家となった春風亭昇太先生は、日本テレビ「笑点」の司会者や公益社団法人落語芸術協会会長として活躍する一方、中世城郭に関する著書を出版するなど日本文化に造詣が深いことから、昨年10月に客員教授を委嘱しました。今回の特別講義は、日本文化の学修の一環として落語を通してコミュニケーションの重要性について実演を交えながら学ぶことを目的としています。当日は、人文学部生をはじめ、静岡キャンパスの学生?教職員、一般聴講者ら約150名が聴講しました。

昇太先生は、本学在学時の思い出や落語家になった経緯をはじめ、「落語を鑑賞したことがあるか」や「落語のイメージ」「興味がある古典芸能は?」といった学生アンケートの結果を紹介。昇太先生は、「落語は敷居が高いと感じている人が多く、僕自身も実際に落語を聞くまでは絶対につまらないと思っていました。日本の古典芸能に興味がないという人も多いと思いますが、海外からわざわざ見に来る人もいるのに、日本に生まれて1度も見ないで死ぬのはもったいない」と熱弁しました。続いて落語の歴史について語り、「落語は演劇と同じカテゴリーに入ります。演劇は何人かで演じなければ成立しませんが、落語は一人でできる。日本人は座布団の上で演劇ができるというシステムをつくり上げました」と説明。「ラジオやテレビの普及によってさらに注目されるようになり、昭和に入ると地域の芸能から日本の芸能へと広がり、昭和の名人が生まれました」として、昭和を代表する落語家による古語落語や自身も大きな影響を受けたという新作落語の動画を交えて落語の魅力や見どころを語りました。小道具である手ぬぐいと扇子の使い方や目線の大切さについても語り、「落語は聞いている人の想像力を足して成立するものです」とまとめました。

その後は、上方落語の「時うどん」の演出を取り入れた古典落語「時そば」を披露。そばの屋台で起こる滑稽話に、会場は多くの笑いに包まれました。最後に、学生から事前に寄せられた質問に答えながら、「スマホやパソコンから多くの情報を得られる今、落語を配信している人もいますが、私は実演を見てもらいたいからこの仕事をしています。スポーツにしてもなんにしても、生で見るのが一番面白い。ぜひ皆さんには、いろいろなものを生で見る習慣をつけてほしい」と語りかけました。「明確な目標を見つけるためにはさまざまな経験をしてください。澳门特区赌场_澳门英皇娱乐_彩客网官网推荐で偶然、落語研究部に入ったその延長線上に今の僕がいて、毎朝起きるたびに落語家になってよかったと思っています。ほしい物だけを手に入れていては、成長はありません。自分の頭の外にあるものと出会ってください」と後輩にエールを送りました。

参加した学生は、「落語はお年寄りが見るものと思っていて、正直に言うとあまり興味がありませんでしたが、本当にそこに刀やそばがあるように見えて、こんなにも面白いのかと新しい発見がありました。知らないもの、新しいものに触れる経験が人生にとって大切だという昇太先生の言葉を、身をもって体験できました」と話していました。