情報メディア学科の小坂准教授が開発した妊婦体験システム MommyTummy(マミータミー)がBabyTech? Awards 2022の妊活と妊娠部門で優秀賞に選出

情報理工学部情報メディア学科の小坂崇之准教授が開発した妊婦体験システム MommyTummy(マミータミー)がこのほど、優れた育児向けIT商品を表彰するコンテスト「BabyTech? Awards 2022」の妊活と妊娠部門で優秀賞に選出されました。

MommyTummyは、妊娠から臨月までの妊娠過程を疑似体験できるシステム。温水を腹部の水袋に徐々に注入することで胎児の重さと温かさを呈示するほか、内部にある46個のバルーンを膨らますことで胎動も感じることができます。実際の妊娠では、着床から臨月まで約9カ月がかかるところ、MommyTummyでは約2分で臨月までシュミレーションでき、徐々に腹部と胸が大きくなり、2分のシミュレーション後には胎児とのインタラクティブパートとして、激しく動くと胎児が怒り、やさしく腹部をなでると機嫌がよくなる機能も用意。落としたものを拾う、または寝た状態から起き上がる、椅子から立ち上がるなどの行為を通じて胎児とのコミュニケーションも体験できるようになっています。

今年度から新設された情報メディア学科に着任した小坂准教授は、約10年前からこのシステムの研究?開発に取り組んできました。「当たり前ですが、男性は妊娠できません。ですから、“妊婦の私の気持ちも考えてよ!”と奥さんに訴えられたとしても“分かるわけがないだろう”となってしまうケースが多いのではないでしょうか。一般的なマタニティスクールなどでは父親が重たい妊婦体験ジャケットを使って模擬体験しますが、それでは力の強い男性であれば自由に動けてしまい、妊婦の受ける身体的負担や、命を宿す喜びは体験できません。このシステムを体験したことで少しでも妊婦さんの大変さに気づく動機づくりができればと開発を続けてきました」と振り返ります。これまで国内外のさまざまな展示会に出展。多くの注目を集めてきました。

このほかにも育児体験を目的とした乳幼児を模したロボットの製作なども手掛けている小坂准教授は、「男性や子どもが、本当に妊婦や母親の大変さ、その気持ちを100%理解することは不可能です。今回受賞したMommyTummyやロボットはあくまでもきかっけとなる存在であり、男性や社会が妊婦に対して自然に優しく接することができる環境づくりを目指したい。MommyTummyは将来的に市販化し、多くの方に体験していただきたいと思っていますが、クリアしなければならない問題も複数あり、特にメンテナンスには手間がかかってしまいます。今後は学内外との共同開発?研究も視野に積極的な活動を展開していきたい」と話しています。