ANAホールディングス株式会社のグループ法務部を訪問しました

法学部の唐津惠一教授が担当する「企業法務連続講義」の履修者を含む企業法務に関心を有する法学部や政治経済学部の学生8名が、3月22日(金)に東京汐留にある大手航空会社のANAホールディングス株式会社(以下「ANA」という。)のグループ法務部を訪問しました。「企業法務連続講義」では、異なる業種の6企業の法務部門の担当者にご登壇いただき、企業法務の実態についてご紹介いただく中で、大学で学ぶ法学が現実のビジネス実務の中でどのように活かされているかということを学生に理解させ、学生のキャリア形成支援の一環を担っていただいています。ANAのご担当にもご登壇いただきました。これに加えて、現実の企業法務の現場を見て現実に活躍している企業法務の方と直接話す機会を持つことにより、よりリアルに企業法務の実務を把握することができ、学生のキャリアに向けた今後の研鑽の方向性をより具体化することにつながることを期待して、今年は3月22日にANAのグループ法務部を訪問することとしました。当日は、ANAのグループ法務部長の田畑博章氏にご対応頂きました。田畑氏はANAの航空事業完全子会社である全日本空輸株式会社の法務部長も兼ねておられ、航空事業のみならず、空港地上支援等の航空関連事業、商社事業、旅行事業などANAグループ全事業に係る法務の責任者です。当日は、田畑氏からグループ法務部のANAグループ全体のなかでの位置づけ、具体的な業務内容、法務部門の役割、法務部員に求められる資質?能力、外部弁護士の役割との違いなどについて説明があった後、取締役会の会場やグループ法務部の執務室などオフィスの見学を行い、最後に学生との質疑応答がなされました。本年1月2日に発生した日本航空機と海上保安庁機との衝突事故のような事態が発生した場合の会社、法務部門及び事故現場の対応のあるべき姿、航空会社特有の法務内容、コンプライアンス管理の在り方、サプライチェーンリスク管理の実態、カーボンニュートラル対応など、活発な質疑応答があり、予定の時間を30分も延長することとなってしまいました。参加した学生には有意義で貴重な体験となりました。

【参加した学生のコメント】
?「ANAHDの見学は非常に興味深いものでした。エントランスではメロディーと香りが漂っており、まさに機内と同じ空間であると感じました。法務の機能、また意外な役割(損害補償等)があるんだなと知りました。特に約款で定められた以上の責任を企業が負う可能性もある(JALの荷物補償額など)ということは知りませんでした。そのほか、事故や法務の対応などを伺い知ることができました。オフィスの見学では、すっきりしている印象であり快適な空間であると感じました。会議室の部屋番号には「空港コード」を使っているという「面白さ」が見受けられました。今後、こういった勉強や経験を兼ねた企業訪問があれば参加させていただきたいです。ありがとうございました。」

?「普段の机上とは離れて、法務の実務を学ぶ事ができ大変貴重な時間であった。また、訴訟、運送法をはじめとする一般法務から損害保険関連の業界特有の法務実態を知る事ができたとともに、安全に関する分野やコロナ禍を経た働き方の変化の話は社会人生活にも密接な内容であった。今回得た学びを今後の幅広い学術知識習得に繋げていきたい。」

?「法務部門の役割としてトラブル予防のみならず、会社の経営そのものに法務を活用しようというのが最近の傾向と教えていただきました。外部弁護士との役割の違いとして、組織と弁護士との間に立って専門用語をわかりやすい言葉で組織に説明し、又は会社の内部の人間として最終的な判断を下すことができるという特徴がありました。また、近年のグローバル化やリーガルテックなどの変化により、企業においてより法学の知識がある人材が求められてきていると分かりました。大学で学ぶ知識を会社の中でどのように活かせるのか考えるきっかけになりました。」

?今回の訪問の中で私にとって最も実益となったのは、企業法務を担う社員の社内事案に対する視野の広さと、
知識の深さを知る事ができたことです。それと同時に、企業においては事業活動から事故処理に至るまで、全てのことに法律が通じていることを実感しました。今後学びを深める上では法学の基礎固めをし、本質理解を進めるとともに、さらに実践的な法知識を身につける必要があると考えます。貴重な機会を設けていただきありがとうございました。