「地域史演習」で石造物の調査と博物館施設の見学をしてきました

歴史学科日本史専攻の学生のなかには、将来、博物館学芸員になることを希望して、学芸員資格の取得を目指す学生もいます。そこで、サマーセッション科目として開講している「地域史演習」では、大学周辺を巡見して神社にある石造物を調査したり、県内の博物館施設を訪ねたりすることで、学生が地域の歴史の魅力を体感したり、実際に学芸員の仕事に触れたりする機会を設けています。また、さまざまな博物館施設を訪ねることで、各館の特徴や展示の工夫に気づいてもらいたいと考えています。地域史演習の担当教員は、本専攻の兼平賢治先生(日本近世史)です。

真田神社石造物調査の様子

今年度は8月3日(木)から5日(土)までの3日間で実施しました。今年は特に酷暑ですので、熱中症対策を講じながら実施しました。

1日目は大学周辺(平塚市北金目地区、真田地区)を巡見しました。塚越古墳を見学したり、北金目神社や真田神社にある石造物を調査したりしました。


そして、大学に戻ってきてからは、図書館で文献を調べるなどして、石造物を紹介するパンフレットを作成しました。

2日目は横浜市歴史博物館と神奈川県立歴史博物館を訪問し、3日目は小田原城天守閣と平塚市博物館を見学しました。

学芸員の方から展示の見どころや工夫、史資料の管理方法や、博物館と学芸員の果たすべき役割などについてお話をうかがったほか、普段はみることのできない博物館の裏側(バックヤード)についても見学させていただきました。

横浜市歴史博物館常設展を見学する学生たち

神奈川県立歴史博物館のバックヤードを特別に見学させて頂く学生たち

コロナ禍のなかで博物館を訪れた際には、接触を禁じられていたものもありましたが、今年度はその制限がなくなっており、実際に手にしたりボタンを押して動かしたりすることができたりと、博物館をめぐる環境の変化を感じることができました。

普段は紙に記された文字史料に接する機会の多い本専攻の学生ですが、横浜市歴史博物館では、江戸時代に発明された農具である千歯扱を複数台出していただき、グループごとに観察しました。学芸員の方の説明を受けながら、いつも以上に真剣に、そして熱心に受講し、気付いたことを積極的に発言している学生の姿が印象的でした。

北金目神社石造物調査の様子
小田原城石垣前にて
小田原駅北条早雲像前にて