医学部医学科の小関さんと関野さんが日本循環器学会関東信越地方会「Student Award」のファイナリストとして研究成果を発表しました

医学部医学科5年次生の小関海斗さんと関野紗月さんが、2月17日に東京都内で開催された第271回日本循環器学会関東信越地方会「Student Award」のファイナリストとして研究成果を発表しました。Student Awardは、学部生に循環器病学への興味を持ってもらうとともに、活発な研究活動を促すことを目的に実施されています。小関さんと関野さんは、3年次から本学科内科学系循環器内科学領域で実験研究助手を務める中で研究に興味を持ち、鳥居翔講師らの指導を受けながら研究に取り組んできました。今回はその成果が優れた研究として選ばれ、他5名とともにプレゼンテーションしたものです。

小関さんは、「大動脈弁置換術後、約12年で生体弁の人工弁機能不全をきたした症例の病理学的検討」をテーマに発表。大動脈弁狭窄症に対して弁置換術を行ってから十数年が経過し、弁の劣化によって機能不全に陥った人工弁を病理学的に分析して、人工弁の機能低下と石灰化の関連について考察した結果を報告しました。「新しい発見がある楽しさが研究のエネルギーになりました。発表後の質疑応答では研究に関する異なる視点を得られたので、先生方にご指導いただきながら追究したいと考えています。医師になってからも、患者さんとのかかわりの中で気付いたニーズについて研究し、新たな知見を見いだして医療に貢献したい」と話します。

関野さんは、「血管内超音波と病理組織像の対比により薬剤溶出性ステント留置後の被覆を評価し得た急性心筋梗塞の一例」と題して発表。心臓に血液を供給する冠動脈の狭窄部を広げる網状の筒型器具「ステント」が血管内組織に覆われる程度と、再狭窄の原因となるプラークの発生との関連を分析して報告しました。「研究と学会発表への挑戦によって、循環器に関する理解を深め、研究の進め方や方法を学べたと同時に、自分の知識不足や未熟さに気づくこともできました。臨床と研究を両立させ、患者さんからも医療従事者からも信頼される医師になれるよう、さらに勉学に励みます」と意欲を見せていました。

小関さんを指導した佐藤優医師は、「臨床で使用されている治療指針を読み込み、症例について深く考察した経験は、今後のキャリアに必ず生きてくると思います」と語り、関野さんを指導した相原一樹医師は、「積極的に研究に取り組む姿勢も素晴らしかった。臨床と研究の双方の視点を持って活躍してほしい」と激励。鳥居講師は、「2人には論文の共著者としても貢献してもらいました。臨床医ならではの視点で研究する醍醐味も感じてくれたと思います。今回の研究を通じて学び、経験したことは、医師国家試験だけでなく、医師になってからも必ず役立ちます。今後も探究心を持って学び続けてくれると期待しています」と話していました。