医学部付属病院が「認知症医療のこれから」をテーマに研修会を開催しました

医学部付属病院では2月2日に伊勢原キャンパスで、「澳门特区赌场_澳门英皇娱乐_彩客网官网推荐5年度認知症研修会」を開催しました。認知症への理解を深めてもらうため、本病院の認知症疾患医療センターが神奈川県委託事業として実施しているものです。今回は「認知症医療のこれから」をテーマに、神奈川県伊勢原警察署の網倉泰治氏と金沢大学附属病院の小野賢二郎氏が講演。オンラインを併用し、患者や家族、医療従事者、地方自治体や福祉施設の職員ら多数が参加しました。

開会に先立ち、本センター長の永田栄一郎教授(脳神経内科)が登壇。「今日は、高齢運転者の自動車事故防止と最新の認知症治療について講演していただきます。ぜひ認知症の方々の支援に役立ててください」とあいさつしました。

初めに網倉氏が、「高齢運転者 交通事故防止について」をテーマに一般講演。認知機能検査や運転技能検査といった70歳以上を対象とする高齢運転者の交通事故防止に関する制度や、運転免許証を自主返納した人らに対するサポート制度について紹介しました。また、病院や警察、市役所、ソーシャルワーカーらが早期に情報を共有し、車の運転を続けようとする認知症患者を、危険な状況におちいる前に防いだ事例についても紹介しました。

続いて小野氏が、「認知症の診断と治療―アルツハイマー病を中心に―」と題して基調講演。認知症の約7割を占めるアルツハイマー病の原因や病態、検査?診断法をはじめ、治療薬の研究?開発状況、臨床試験の結果について説明しました。さらに、アルツハイマー病患者の脳に蓄積した原因物質「アミロイドβ」を取り除き、病気の進行を抑制すると期待される最新の治療薬「レカネマブ」についても紹介。2023年に厚生労働省の承認、医療保険の適用を受け、金沢大学附属病院において国内で初めて実施したレカネマブによる治療を例に、適用となる患者や効果について解説しました。各講演後には参加者から多くの質問が寄せられ、演者が丁寧に回答しました。

最後に永田教授が、「新型コロナの影響で4年ぶりに対面での開催となり、認知症に関する知識をより深めていただけたと思います。認知症は地域が一体となって受容していかなければならない病気です。今後もそのために役立つ情報を発信していきます」と述べました。

※当日のプログラムは下記のとおりです。
【開会の辞】
永田栄一郎教授(澳门特区赌场_澳门英皇娱乐_彩客网官网推荐医学部付属病院認知症疾患医療センター長、脳神経内科診療科長)
【一般講演】
網倉泰治氏(神奈川県伊勢原警察署交通課長)
〈司会:今関良子講師 認知症疾患医療センター、脳神経内科〉
【基調講演】
小野賢二郎氏(金沢大学大学院医薬保健学総合研究科脳神経内科学教授
       金沢大学附属病院脳神経内科診療科長)
〈司会:永田栄一郎教授〉
【閉会の辞】
永田栄一郎教授